祿 プロデューサー 門上武司より「お料理 山田」の推薦文
昨年4月、大阪北新地に「お料理山田」を開店させた主人の山田晃弘さん。33歳という若さで独立を果たすやいなや、このコロナ禍にありながら連日満席という盛況ぶりです。カウンターの中で仕事をする山田さんには勢いがあります。その源は、これまで学んだことを尊重しながらも、新たな解釈ができるのではないかという探究心。つねにもっと料理を進化させることが可能だと信じてカウンターに立つ気持ちが、心地の良い勢いを生み出すのです。例えば椀物の出汁、昆布は水出し、それをゆっくり60度に温め、大量のカツオを入れます。赤甘鯛の酒蒸しにうっすらかぶらが被さり、日本の冬の景色を想起させます。出汁はすっきり、甘鯛と出会いちょうどいい濃さとうま味を感じるのです。金目鯛の焼き物は、そこにかぶらのすりおろしを流し、芹の根っこのフライを添えます。焼き物では、一手間かけることでこれまでとは異なる味わいが生まれるのです。「日本料理の誇りは四季の味わいがきちんとあることです。キャビアやトリュフなど高級食材を使わなくとも、蟹や雲丹など旬の食材を巧みに使いこなすことで、新たな発見を楽しんでいただけると思います」と、自らの料理に対する思いを語ってくれました。「ROKU」という舞台でどんな挑戦をみせてくれるのか楽しみです。
