嗣味つぐみ

祿 プロデューサー 門上武司より「嗣味」の推薦文 東京の新橋に「味享」という料理店があります。ここは「京味」出身の井上享俊さんと弟の井上長嗣さん二人が立ち上げた店で、超人気の一軒です。しかし井上長嗣さんは、地元で料理店を開きたく博多に戻り「嗣味」を開きます。久留米出身、大阪の調理師学校で学び、京都の料理店で修業、その後東京でお兄さんと仕事をした経験を元に、九州の食材をふんだんに使う、関西でも江戸でもない独自の世界を作り上げたのです。例えば、椀ものの出汁をウチワエビと鰹節で取ります。そのコクと味わいの奥深さは昆布と鰹節とは違った様相を呈するのです。今年の冬に食したフグの豪快な味わい。炭火で焼き、白子のソースをたっぷりとかける。アラはみぞれ和えで味の凝縮感が半端ではありません。惜しみなく素材を大胆に使いこなす技は見事としか言いようがありません。九州の割烹料理はこれだ！という意思を強く感じる献立は、きっと皆様に新鮮な驚きと感動を与えることになります。